農家直送って聞くと、間に他の会社とか通さないから安くできるってイメージありませんか?
私はありましたけど、これ、自分たちでやってみるとそうでもないのでは??( ;∀;)と思うことがしばしばなんです。。
こんにちは、よこや農園のあすかです。紅葉がきれいで、ふじりんごも真っ赤になってきて、空気も澄んで、とても好きな季節です。
この時期、りんご農家は収穫、葉摘み、玉回しとりんごの作業だけでも大忙しですが、
自分のところで贈答の注文を受けている農家はここにプラスして、選果、箱詰め、発送という作業が入ります。
よく、農家直送だからお買い得!(中間にJAやスーパーを通さなくて安くできるよという意味)みたいなフレーズをみたりしますが、
その中間に入っている部分の仕事はなくなりませんので、
結局農家やスタッフがやっているわけです。
具体的には、自分で注文をとっている場合は収穫後の作業に、
贈答に入れれそうなきれいなりんごとそうでないりんごを分けて(選果)、
大きさを揃えて箱に一個一個キズがないか確認しながら入れて(箱詰め)、
宛名を印刷して貼って(パソコン使わない農家はここ手書き)配送会社に電話して取りに来てもらう(発送)
という作業が入ります。
この他、HPやチラシをつくったり、注文の電話をうけたり、お金を請求したり、相談や質問に応答したりする時間も発生します。
JAに出荷すればこれらの仕事はすべてやる必要がありません。
だから、自分のところで人件費(自分や家族が頑張るにしても、アルバイトさんに頼むにしても)をかけてやるか、その分売値は安くなるけどその部分は別のとことにお願いするかの違いなわけで、かかっているコストは多分そんなに変わらないのではと思うのですね。
(むしろその道のプロがやっていくので、選果は機械が早く正確にやってくれるし、箱詰めの段ボールだって私たちみたいに手で組み立てていないと思うし、レジだってスーパーにはカウンターがあって専用のスタッフがいるから効率的?)
だから、(顧客目線からの)農家直送のメリットって値段じゃないんですよね。
(イメージで安いんじゃないかって思われるのがつらいとこですが、、、)
必ずその農園のものが送られてくることと、新鮮なこと(りんごの場合、完熟まで待って収穫したものを送れる、というメリットもあり)
の2つじゃないかなと思います。
もちろん農家側は、自分のところの農産物を喜んでくれる消費者に、直接いいものを届けることができるメリットがあり、
わたしたちも喜んでくれる人がいるからやっています。
話は少しそれますが、時間の価値を軽視している人が多い気がします。
昔は子どもも労働力として考えられることが多かったし、食料やお金の価値が高くて時間の価値が低かったのだと思います。
でも今は日本は豊かになって、みんな自分の時間を何に使うか真剣に考えています。
人件費も毎年上がっていて、時間の価値が上がっていると思うのです。
そりゃ自分と家族が無理すれば、農家直送!だから安いですよ~
と言えると思うのですが、それは長続きするのかなぁと。(選果~発送までの作業が大好きでいくらでも無理できる、というならいいですが)
先日、夫のけんが畑にきたおじいちゃんに、(畑にある柿の木をみて、干し柿用に渋柿がほしいから)
「あれ、ちょっとくれんかね。」
と言われたらしいのですが、ただなってるだけかもしれないけど、収穫するのも、選別して袋詰めするのも時間がかかるんです。(しかも干し柿用に枝の部分を残すために、枝ごと収穫してひとつづつ切らないといけないから収穫の手間がかかる)
畑の維持に時間もお金もかかってるし。
友達に、いっぱいあるからあげるよ~というのとは話が違うでしょ、と思ってしまいました。
相手に時間をとらせてもかまわない(というかそこまで頭が回らない)のは、
すなわち自分の時間も軽視しているんだと思います。
恥ずかしながら少し前の私がそうでした。(だからスーパーとかですぐ忙しそうな店員さんに○○はどこですか?って聞いてたけど、今はなるべく自分で探すようにしてる、、、)
でも最近、自分たちで事業を営んでスタッフを雇ってってやっているうちに、時間の大切さを痛感してきたというか、、、
だから、柿のおじいちゃんはまったく悪気はないと思うし、悪くないんです。
ただ、このブログを読んで、そうだよね、時間かかってるもんねとわかってくれる人がいたら嬉しいなと思って書きました。
って書いてて、でも、かけた時間と売値(受け取る価値)は比例しないんだったと思い出した。。。( ;∀;)(←いつも痛感してるコト、、)
前に自分でブログも書いてた。。→モノの価値は需要と供給で決まる
ではでは~