こんにちは。かなりお久しぶりです。
昨年は畑も増えたり、認定新規就農者になったり、民宿のほうも蔵をオープンさせたりと忙しくて全然更新できておりませんでしたが、私達がなにをしているのか、少しずつでも発信していったほうがいいかと思い直したので、これからちょこちょこなにか書いていくかもしれません。
ということで、少し前の話になりますが、2018年12月に農水省で行われた「農業者のニーズ×メーカーの技術のマッチングミーティング」(※正式名称は違います)というものに行ってきました。
今日はそのことを振り返ってみたいと思います。
「なぜ行ったか?」ですが、当たり前ですが作業を効率化するネタを探すためです。りんごの作業の多くが人手でとても手間がかかるため、なんとか軽減できないかと常日頃考えています。
特に今回はドローンメーカーさんと話がしたくて行ってきました。詳しいことは後述します。
なぜそんなに手間がかかるかというと、日本のりんごは大きさや着色も良くなければ市場に出せないことも背景にあると思います。(厳密には出せますが加工やジュース用になってほとんど利益は出ません)これは前に椚谷くんが調べてくれたチリのりんご事情からも感じることができます。
中でも、私たちがりんごを作っているところは傾斜のある山間地で、機械を使うにしても危なくて余計に大変です。(そのぶん水はけや日当たりも良くて美味しい説はあると思いますが)
手間暇かけて作っている日本のりんごは本当に素晴らしい(もはや芸術品)ですが、そのぶん値段も高くなってしまいます。逆に、それだけ手間をかけて作っても規格外となったものは安くなってしまいます。
そこを何とかできないか、個人的には安くおいしいものをみんなに食べてもらいたいし、日常的にみんながりんごを食べられるようになったらいいなぁと思っていますが、だからと言って適当にいっぱい作るという話ではなく、これまで贈答文化の中で培った日本の芸術的なりんご栽培は活かして行きつつ両立できたらいいなぁと思っています。ただし、私たち農家も生計を立てる必要があるので、手間をかけて作って安く売ってしまったのでは生きていけません。
そこで、前から考えていた「ドローンでの花摘み」の話をするべく、先述のマッチングに行ってきたわけです。
なにがしたいかという話ですが、4月末頃からりんごの花が一斉に咲いて、りんご農家は農繁期を迎えます。
そこで、まず花摘みという作業を始めるんですが、この花摘み、単純作業ではあるんですがいかんせん数が多くてなかなか人手がかかります。
また、花摘みをしっかりやることで早期に厳選したりんごのみに養分を集めることができて、いいりんごを作る上でも欠かせない作業となります。
現状、すべてを人手ではなく補助的に薬剤を散布して受粉しないようにしますが、タイミングがシビアで、間違えると必要な花までダメになってしまったり、全然効かなかったりとなかなか難しいのです。
話に聞いたところでは、花に息を吹きかけて花びらが一枚ひらりと落ちたときが薬の撒き時なんていう話もありました。とても真似できそうにありません。花の咲く時期も少しずつ違うのでなんとも言えず、一種の賭けのようです。
ちなみに、花摘みには簡単なルールがあって、腋芽(枝の先っちょじゃないところ)の花は取るとか、上向き下向きの花は取るとか、傷になりそうなところは取るとかです。
このあたりを瞬時に判断しながらバンバンむしっていきます。(気持ちに余裕があればけっこう楽しいです)
そこで、この作業をドローンで補助できないかと思い立ったわけです。
最近だと画像解析の技術も進んできている?と思うので、ルールをしっかりと作っていければ、どこの花を取るか大体の目安は画像解析で判断できるかも、ということと、そこで判断した要らない花に前述の摘花剤のピンポイント散布をドローンでできないか、ということです。
つまり、ドローンが畑を巡回して要らない花を撃ち落とす、です。
この話を10社弱位?来ていたドローンメーカーさんに話して回って、一つのメーカーさんが興味をもってくださったので、春に一度ドローンを持って来てくれるかも!
ドローンメーカーと言っても画像解析に明るくないとか、画像解析の専門家でもハードは厳しいとか多いと思いますが、そこのメーカーさんは田んぼの雑草を画像解析してピンポイント除草剤散布ができるということだったので、ちょっと技術的に近そうだったのが良かった気がします。
日本のりんご栽培を救う技術になってくれたらいいなぁという期待を持ちつつ、日夜いかに楽できるか考えることで逆に時間がないという大いなる矛盾をかかえて生きています。
なにかまた進展があったら書きます。
それでは。