前回、きちんと利益を出すためには、
①工業化する②高く売る③生産物以外で収益を出す
のどれかしないといけないという話をしましたが、
今日は②高く売るについての続きです。
こんにちは、あすかです。
こうやって書いてみるとこれ↑ってどの分野でもあたりまえのことですね。あたりまえが難しい、、とほほ( ;∀;)
それで、こないだ花卉農家の話をしてくれた友達が話の中で収益を出すには規模やらないといけないって言ったので、
「それか自分で売り先を見つけて高く売るかだね」
と私が言ったら
「いや、花の場合市場に出した方が高くなる。相手がいると向こうの言い値になっちゃって逆に安くなるらしいよ。」
と言われました。
まさにそうかも!と思いました。
きちんと営業や取引の経験がある人ならまだしも、普通の家族経営の農家が高い値段をつけて自分で売るって大変なことです。
例えば贈答用りんご。
ここらへんの農家さんも、昔からの付き合いがあるとかなんとかで、もう30年も当時の値段のままで売り続けていたりします。
缶コーヒー100円の時代から、物の値段(もちろんりんごも)も人件費も燃料費もろもろ全部上がっているのに値上げが難しい。
直接売るから中間マージンとかない分取り分が多くなるでしょ?と思われるかと思いますが、
手間が市場に出す(JAに出荷する)より半端なくかかります。
お客さんの対応、住所ラベルへの打ち込み、収穫したりんごを大きさとランク別に選果、箱詰め、郵便局に来てもらい、お金をもらう(もしくは振り込んでもらう)。
自分で直売所に持っていく場合も一緒で、選果→袋詰め→車に積んで持っていく→ラベルを貼って並べるという作業が発生します。(しかも直売所の手数料がかかる)
市場に出せば、ほぼ全自動の選果機があって、選果された果実をトラックでまとめて運んでスーパーなどもまとめて仕入れるのですごく効率的です。
しかも、スーパーなどの小売店は野菜や果物はもはや客寄せなので、そんなに自分たちの取り分をのせていません。
(つまりスーパーのりんごの値段は市場価格にちょっと上乗せされたくらいの値段です。よく小売価格の10分の1が農家の取り分なんて話をききますが私の知っている限りそんなことはありません。)
なので、実際にスーパーなどで売っている値段より少し安いくらいで個人販売していると、手間を考えるとどっちがいいのかわからないのです。
また、大きい会社の直営農家になった場合も、基本相手の言い値になってしまうことが多そう。。
日本は人口も減ってますがそれ以上に生産者が減っているので、市場価格は上がりはしても大きく落ちることは多分ないと思います。
個人で売るならスーパーで売ってる価格よりも高くしないと利益は大きくでないわけですが、それをするにはアイデアと勇気と気力が必要。
個人農家に限って言えば、自分で高く売るというのはけっこうハードルが高いのです。
かといって、安い価格での個人販売が悪いわけではありません。
直接お客さんからおいしかったと言ってもらえるのはとても嬉しいことですし、安くおいしい野菜や果物が手に入るお客さんはとても喜んでくれています。
直売所にしても、自分の名前をつけて売れるところが多く、固定客がつけばもっとおいしいものを作りたいという励みになります。
それは、手間をかけてでもこちらの方がいいという農家もたくさんいることからもわかります。
こうやって考えてみると、やっぱり効率的に(なるべく人手をかけずに)作る方法がりんごにないというのが問題な気がしてきますね。(→りんご生産の工業化)
安く作ることができれば市場に出しても個人で売ってもいいわけですから。
ではでは~