ちょっと前に、瀧本哲史さんの “僕は君たちに武器を配りたい” という本を読みました。
こんにちは、よこや農園のあすかです。
この本は2011年出版なのでちょっと前の本ですが、コモディティ化の話が印象的な本でした。
コモディティとは「スペックが明確に数字や言葉で定義できるもの」を言い、
例えばりんごでいうコモディティとは、味、品質、色、価格などです。
瀧本さんによると、世の中は急速にコモディティ化してて、ここを高めようとすると競争にさらされるという話です。
ちなみに商品だけでなく、人もコモディティ化していて、例えば就職市場で英検1級とかトイック○○点以上持っているというのは同じ英語レベルの人と比べられてより安い方が採用されるというものです。
コモディティから抜けようと思うなら、おいしいりんごを安くつくるということ以上の“何か”をつくらないといけないということみたいです。
それは“ブランド”や“ストーリー”などの(明確に数字や言葉で違いが言い表せない)ふわふわした付加価値や違いをつくること。
組み合わせから新しい商品やサービスを生み出すこと。
がカギになります。
それを考えるときに、その業界の“常識”と言われてることの反対のことを検討してみるとよいとあったので、農業(りんご栽培)について考えてみることにしました。
農業といえば・・・
きついくさいきたないの3K(実際はそんなことないですが、そういうイメージがありそう)、肉体労働、食べ物を作っている、家族経営が多い、JAに出荷する、天候に左右され収益が不安定、生鮮食品で買うのは主婦、手をかけておいしくつくる(特に日本の農業)、土地の安い地方でやるもの、繁忙期がとにかく忙しい、稼げない、結婚できない
とこんなもんですかね。
それぞれ反対を考えてみると
・きつい・くさい・きたない ⇔ きれいでオシャレ
→ スーツでも着ちゃう!?笑 畑はきれいに保たれていて、休憩スペースは野外カフェにあるような机と椅子でも置く
・肉体労働 ⇔ 頭脳労働
→ 畑仕事は一日4時間で、後はパソコンカチカチor人と会って打ち合わせとか
・食べ物をつくる ⇔ サービスをつくる
→ オーナー制やりんご狩りなどの“体験”を売る
・家族経営 ⇔ 会社やチーム経営
→ 今流行りの法人化で大規模に
・JA出荷 ⇔ 個人出荷
→ インターネットの発達でますます可能に。いっそのこと出荷用につくらない
・天候に左右される ⇔ 安定している
→ 大規模ハウスとか?体験を売れば商品のできはあまり関係ない
・買うのは主婦 ⇔ 子供・男性向け
→ 体験や、趣味や、教育としてのりんごづくり
・手をかける
→ システム化や効率化、薬などを使ってなるべく省力化する
・地方でやるもの ⇔ 都会でやる
→ 今東京圏に近い農地は見直されているらしい。貸農園としても需要あり
・繁忙期が忙しい ⇔ 年中安定した作業量がある
→ りんごの農作業だけでみると難しい。あと繁忙期の作業量軽減をどうするか
・稼げない ⇔ 儲かる農業
→ やり方次第ですがJA出荷するならりんごは相当な規模が必要。めっちゃ高く売れる新品種ができるのに期待
・結婚できない ⇔ あこがれの職業に
→ その人次第
とこんな感じですかね?
できることはたくさんありそうなので、どうやっていくかです。
最初のオシャレにってのは、すぐできそうだし目指したいです☆
その一方、最近思うのは、高齢化によって生産者が減って、農業がもたらすあたりまえの価値としての
おいしい安全安心な農作物を低価格で安定供給する
ということがこのままだと難しくなるのでは・・・?と感じます。
いろいろ工夫してコモディティから抜け出すことより、
おいしく安くたくさんりんごを作ることの方がこれからは社会から必要とされるのかなとも思うのです。
でもそうするとりんごの収入で利益をだすためにはそうとうな変革(大規模化とか省力化とか安く人を雇うとか)が必要で、
難しいですねぇ。。
結局自分たちはどうしたいのか、
そこにいきつくわけです。